鯨紀行

主に旅行記と、日々の思ったことを少々。

ラオスの家庭料理を味わう ビストロ・ケオピラ

コロナの影響で、今年は海外には出かけることができない。もう諦めてはいるものの、ふと海外の写真や映像などが目に入ってくると、異国の空気に触れたいという欲求が頭をもたげてくる。

ここ最近、国内は旅行したので熱が少し収まったが、海外への欲求はいかんともし難い。であれば、料理だけでも楽しんで、異国に行った気分になろうか、と。

 

そう思って少し考えてみると、近場でありながら今まで試したことのなかった国が思い浮かんだ。

というわけで今回は、ラオスへ旅立ってみようかと。

 

ビストロ ケオピラ

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数年前から、自転車で前を通ることが何回あって気がついては居たのだけれど、なかなか入る機会が無かったこちら。ラオスの家庭料理、という文言が、現地の雰囲気をしっかりを感じさせてくれるのでは、と期待していた。

 

早速入ってメニューを眺めてみると、見慣れない名前の料理ばかりだが写真が付いているのである程度どのようなものかは分かる。フォーやカオソーイなどは、ラオスの料理というよりはタイやベトナムなどあの辺りの地域全般で食べられているものなのだろう。とはいえ、分からない料理も多いので女将さんに訊いてみる。タンソンはパパイヤのサラダ。タイ料理だとソムタムか。ムーナゥ、サイコー、ソンム―は、どれも現地味のソーセージだが、それぞれ使っている肉や製造方法が異なるようで、味は全然違うそうだ。ソンムーは酸っぱいらしい。発酵させているのかもしれない。

 

いろいろと目移りしてしまうけれど、ピンと来たものに絞って注文。

 

 

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まずはムーナゥがすぐに出てきた。これはきくらげと豚耳のソーセージ、というもの。
食べてみると、程よい塩味の豚肉で、その中にコリコリとしたキクラゲや豚耳の食感がアクセントになっている。味が強すぎることもなく丁度いい。一緒に頼んだハイボールでサッパリとさせながら、パクパクとすぐにいけてしまう。丁度いいスターター。

 

 

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次まで暫く時間がかかったが、一緒に頼んでいたサイコー。焼くのに結構時間がかかるようだ。

豚肉のソーセージ、という説明だけだったのでどういうものか分からなかったのだが、出てきた瞬間から食欲をそそる匂いが立ち込める。なんだろう、あまり経験したことの無い、でも確実に美味しいやつと分かる香り。


食べてみると、ものすごい凝縮された旨味。そして大量のハーブ類と胡椒のようなスパイス類の香りが口の中に広がる。ちょっとピリッと辛さもあり、酒が進む味だ。

なんだろうこれ、本当に美味しい。アジアの味付けというのは理解できるのだけれど、食べたことが無い感じ。凄い異国感。とても気に入ってしまった。

下手するとこれだけでビール2杯くらいいけてしまうのではないか、という代物だった。

 

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そして最後にラープ。豚orダック、と聞かれたので、せっかくなのでダックを。現地だと一般的なのだろうか。タイでも食べられているラープだけれども、ラオスでも一般的かつ名物だという。

 

早速ひとくち。・・・ああ、美味い。


しっかりと絡まったタレは魚醤だろうか、それに柑橘系のさっぱりした風味も感じる。その味をまとった肉だけではくどくなってしまいそうなところを、ミントやバジルなどのハーブ類がしっかり効いてサッパリと仕上げている。濃いめの味わいで、添えられたサラダが嬉しい。しかしこれにはやはり米が必要だと感じた。今回は酒で流してしまったが、次は現地のごはんカオニャオと共に食べよう。

 

ラープと、なによりサイコーが文字通り最高だった。こんな美味いもので、知らない味のものがまだまだあるんだ。

 

ひと通り食べ終わってから、ちょうど他の客も居なかったので、女将さんにいろいろ質問してみた。

 

出身はラオス北部のルアンパパーン郡だそう。程よく栄えた、歴史ある町なのだとか。

サイコーが美味しかったのだけれど、現地から輸入しているのかと思って訊いてみたところ、なんと自家製という。現地の味をここでも再現しているのよ、と。コロナの影響で輸入などはかなり厳しくなっていると思っていたので、どうなのかと思っていたのだけれど、なるほどそれなら納得。この味を楽しめただけでも、十分に価値があったというもの。というか軽くラオスにトリップできた。

 

ラオスの言葉を少し教わった。サバーイディー、そしてコォプチャイ。

 

美味しいものをありがとう。コォプチャイ!!