鯨紀行

主に旅行記と、日々の思ったことを少々。

泡盛酒造 高嶺酒造所

前日の請福酒造でご一緒させて頂いた方から、「明日朝から来れるなら、於茂登の酒蔵で仕込みやるらしいから見に行ったほうが良いよ」というアドバイスを頂きまして。そんなの、行くしかないじゃないですか。

石垣島の街中から車で20分少々。エメラルドグリーンで有名な川平湾のすぐ側に、真っ黒な蔵元がありました。

高嶺酒造所

1949年の創業で、昔ながらの直火の地釜蒸留を続けている。「於茂登」がメインの銘柄。於茂登は、泡盛好きなら聞いたことある人が多いのではないでしょうか。

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昔からビジターの受け入れに力を入れていたとのことで、酒造所はガラス張りですべて見えるようになっていて工場見学も自由。早朝から伺ったにも関わらず、職人さんが作業をしているところを女将さんが色々と説明してくれました。この日は完成した米麹を発酵槽に送る部分と、完成したもろみを蒸留釜で蒸留する部分を見ることができました。すべて手作業で行う小さい酒造所ですが、昔から続けられている酒蔵は黒麹のためか天井も壁も黒い染みがびっしり。そんな中でもろみの櫂入れ、蒸留器のセッティングから実際に出来上がるまでの一部始終を見せて頂いた。

なんというか、結構地味なんだなあというのが正直な感想ですが、実際に蒸留した液体が出てくるところを見ると感動しますね。あと、当然の事ながら熱気が凄い。特に直火のバーナーで火を入れているところなどは、見るからに熱量が半端なさそうで迫力があります。やはり蒸留工程は一番気になるところですね。

高嶺酒造では、昔からユニークな取り組みとして甕オーナー制度を取り入れており、主に石垣島を訪れる記念として甕のまま熟成させてもらえるようです。泡盛は焼酎と違って熟成することが知られていて、3年以上の熟成を行うと「古酒」と名乗ることができる。10年古酒などとなるとかなり良い値段もしますが、まろやかな味わいは中々得難いもの。甕オーナー制度はウイスキーでいうところのシングルカスクのようですが、それに比べたら適量で値段も手頃。マイカスクならぬマイポット? 面白そうですね。

観光名所とし名高い川平湾に来た際には、自然だけではなく人の手による神秘の世界をのぞき見てはどうでしょう。