鯨紀行

主に旅行記と、日々の思ったことを少々。

「カレーの教科書」を読んだ

水野仁輔 カレーの教科書
水野 仁輔
NHK出版
売り上げランキング: 41,305

ふと、本屋でカレーの本を幾つか見ていたら、以前から知りたい情報がズバリ載っている本を見つけた。「水野仁輔 カレーの教科書」。自分は存じ上げなかったが、インド式のカレーに造詣が深いらしい著者が、様々なインド式カレー料理の店でレシピを研究した結果、もっとシステマチックに、科学的に、インド式カレーを解剖してみた、といった様な本だった。

カレーのレシピも載っているが、あくまで最後におまけとして付いている程度で、大部分は「何故カレーがカレーの味わいになるのか」といった、根源的な部分を解き明かそうとしている。スパイスを入れるタイミング、肉を入れるタイミングはいつなのか。肉は焼いておくべきか生のまま入れるべきか。玉ねぎをアメ色にすべきか、その必要はないのか。とにかくシステマチックに、そして著者が辿り着いた「ゴールデン・レシピ」について、詳細に書かれている。

自分が特に気になっていたのは、「ホールスパイスは最後まで残したままなのか」と「玉ねぎの炒め方」で、この2点についても様々な試行錯誤の末の結論が述べられていた。なかなか一般人には試しづらいことがしっかりと書かれていて、長年の疑問が色々と解決した。また、見やすいチャートやイメージ図、カラー写真もありとても分かりやすい。まさにカレーの「教科書」だ。

インド式カレーが好きな人は読んでおいて損はない一冊。

勿論、本日の夜はスパイスを使って、インド式カレーを頂いた。まずまずの出来だが、さらに理解が深まった気がする。