鯨紀行

主に旅行記と、日々の思ったことを少々。

熟成古酒ルネッサンス

熟成古酒ルネッサンスに行ってきました。

普段呑んでいるのは基本的に新酒ばかりですが、日本酒は熟成させるとまた違った味わいになるということで、これまでもいくつか試してはみていました。が、やはり博打的な要素が大きく、自分ではなかなか買うにも躊躇してしまっていたところでした。そこにこのイベント、熟成古酒の試飲会はまさにうってつけ。去年の参加は逃したのですが、今年こそはと行ってみました。

 

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会場は渋谷シダックスホール。カラオケ店……? なんて思っていましたが、それとは別にイベントスペースがあるのですね。パーティ会場的な場所に参加スペースは33ほど。2部制にしてあったためか、参加者はそこまで過密なようには思えませんでした。ちょうどいいくらいだったと思います。

 

さて、ひと通り試した結果から正直に言うと、期待していたほどではありませんでした。

 

どちらかというと淡熟の方がまだ良いかな、という感じ。20年などの濃熟ものは、スカスカに抜けているか個性的になりすぎてときにヒドイ味になっているかのどちらか、といったところでした。幾つかのボトルは「おっ」と思わせるものもありましたが、それ以外はあまり印象に残りませんでしたね。

日本酒の熟成酒は、昔は普通だったといってもここ100年ほどは細々と各蔵や店ごとに続けられているだけで、実験のレベルを出ていないでしょう。熟成させた味わいに慣れていないといえばそうかもしれませんが、飲んだときに「美味い」と思えない方向性のものは、今後の発展もあまり期待ができないと考えてしまいました。少なくとも、業界の中でも一角を担えるほどのものになるには、参加者も研究もまだまだ足りていない、といったところです。

というわけで、自分には合わない方だったという感じです。ちょっと期待値が高すぎたのかもしれませんが。

ただ、美味しいものもありました。例えば以下のあたり

 

DSC04892.jpg 甲子の「汲古」純米吟醸の1997年醸造。これはブレンドによってバランスがとれた味わいでした。古酒感とフルーツ感が美味く混じっていた。

 

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玉川 自然仕込。2012年なので4年ですが、結構濃い目の熟成。これは燗酒で供されたのですが、良い具合にふわりと抜けていく。しかもイカの漬けとのマリアージュがとても良い。

 

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ちょっと変化球ですが、花垣 貴醸年譜(1年/3年/7年)は貴醸酒の熟成酒。これはどれもかなり良い出来。特に7年は濃厚さもあってシェリー酒のようでした。熟成には糖度高めの方が向いているのかもしれません。 このあたりが印象的でした。

  • 燗にすると良いものが多い
  • やはり食べ物、チーズや濃い目の塩辛系などのつまみがあると良い
  • 渋みが出ない程度の中熟あたりが合わせやすい

といったところでしょうか。

飲み屋なんかは、自前の料理に合わせて熟成酒を選ぶのは面白いし、幅が広がるかもしれませんね。